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令和4年度 住友別子病院 病院指標



年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 20 105 127 197 471 734 1,218 2,413 1,691 422
令和4年度(令和4年4月1日~令和5年3月31日)に退院された患者さんを対象としています。
1年間の合計は7,398名でした。
年齢は、入院時の年齢を基準として、年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。
地域の中核病院として幅広い年代の方に受診していただいておりますが、60代以上の方が全体の77%を占めています。
当院は、東予地区の医療を支える支援病院として力を注いでいます。
さらに、急性期病院として救急搬送を積極的に受け入れています。
その件数は年間2,700件を超えており、新居浜市の救急搬送数の約4割を占めています。
内科系・外科系の医師が同時に当直するよう救急体制の充実を図ることで、救急搬送の受け入れに備えた取り組みを進めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 358 2.11 2.64 0.00% 67.34
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 114 8.30 8.94 0.00% 77.70
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 92 4.97 4.26 0.00% 71.85 心臓カテーテル治療
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 70 3.09 3.04 0.00% 70.94 心臓カテーテル検査
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 66 18.53 17.54 1.52% 84.30 心不全
内科で最も多いのは、小腸大腸の良性疾患である大腸ポリープです。
2日間の短期入院となり、内視鏡を用いてポリープを切除します。
消化器内科では、食道・胃・大腸などの消化管がんに対する早期発見・早期治療の取り組みを、積極的に行っています。
また、内視鏡検査をできるだけ楽に受けていただけるように、経鼻内視鏡や鎮静剤・鎮痛剤を用いた内視鏡を導入し、大腸カメラではCO2送気を用いて腹部膨満感の軽減に努めています。
3~5位を占めるのは循環器疾患で、狭心症などの慢性虚血性心疾患に対し、カテーテルを使用した検査や手術を行っています。
より良い日常生活の復帰に向けて、心臓リハビリテーションも行っています。
循環器疾患は、緊急を要する症例も多いため、24時間365日、循環器内科の医師がいつでも対応できる体制を整えています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 72 5.24 4.59 0.00% 69.03 鼠径ヘルニア
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 49 6.80 6.07 0.00% 61.41 腹腔鏡下胆嚢摘出術
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 46 7.80 6.93 2.17% 67.63 腹腔鏡下胆嚢摘出術
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 7.66 9.00 0.00% 73.21
060040xx99x50x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-5あり 副傷病なし 28 5.11 4.25 0.00% 68.96
外科では、多岐にわたる良性・悪性疾患を対象として、手術を柱とした治療を提供しています。
また、地域の緊急手術に対応しているのも当院の特徴です。
胆嚢炎、消化管穿孔、腸閉塞などの救急疾患の症例が多く、たくさんの紹介患者さんを受け入れています。
緊急手術にも低侵襲である腹腔鏡手術を行うことが多く、早期回復につながっています。
症例数が最も多いのは、鼠径ヘルニアに対し手術を行った症例です。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を積極的に導入し、術後疼痛が少なく社会復帰が早いのが特徴で、慢性疼痛も少なくなります。
胆嚢疾患に対しても、腹腔鏡を用いた胆嚢摘出術を行っています。
当院は、2018年より直腸癌手術に低侵襲手術支援ロボット“ダビンチ”を導入しており、2022年よりダビンチ結腸癌手術も導入しました。
結腸癌手術では、傷が小さくかつ術後の疼痛や脱腸が少なくなる工夫を取り入れいます。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 92 61.61 26.42 2.17% 80.27
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 60 32.48 20.09 0.00% 80.23
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 37 25.19 20.05 0.00% 71.68
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 34 7.59 4.86 0.00% 56.41
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 31 32.52 18.34 3.23% 51.94
整形外科は、外傷患者さんをはじめとし、関節外科、スポーツ・上肢専門外科、脊椎外科などの専門的な診療を行っています。
昨年度と同様に、股関節・大腿近位の骨折が一番多い症例となっています。
この骨折は、大腿骨付け根の骨折にあたり、高齢者に多く、平均年齢は80歳となっています。
骨折の原因は転倒によるものが多く、股関節・大腿近位以外にも、肩や手関節の骨折症例があり、その数は年々増加しています。
高齢者においては、早期からのリハビリテーションが、その後の生活レベルを左右する場合が多いです。
そのため、ほとんどの患者さんが、回復期病棟でのリハビリテーションを経ての退院となります。
平均在院日数は全国平均より長くなりますが、患者さんが安心して治療に専念できる体制をとっています。
また、整形外科では新たな治療の選択肢として、変形性膝関節症やスポーツ外傷・障害等の疾患が対象となる再生医療「ACP PRP療法」を開始しました。
変形性膝関節症で活性化している病的な炎症を抑制し、痛みの緩和、軟⾻破壊の抑⽌が期待されています。
身体への負担が少ない治療なので、若年層~高齢者まで、年齢に関わりなく治療を受けることができる治療です。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 19 2.00 2.90 0.00% 74.26 眼瞼下垂手術
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 19 4.26 7.29 5.26% 82.47
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 11 2.64 4.50 0.00% 43.55
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 10 5.70 13.50 0.00% 59.10
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 4.20 4.72 0.00% 35.70
形成外科は体表面を扱う診療科であり、頭部から足先まで様々な部位における疾患の治療に関わります。
外傷をはじめとして、皮膚腫瘍、皮膚欠損、顔面骨骨折、熱傷や褥瘡などに対し、手術加療も行っています。
昨年度と同様に、眼瞼下垂手術を行うための入院症例が、一番多くなっています。
眼瞼下垂と同数となったのが、皮膚の悪性腫瘍に対して切除手術を行った症例です。
症例数は昨年度よりも増加しており、その平均年齢は82歳と、ご高齢の方に多い結果となっています。
切除範囲の大きさにもよりますが、2日間の入院期間で退院できる症例もあり、全国の平均在院日数よりも短くなっています。
皮膚の腫瘍については良悪性ともに手術を行っており、近隣医療機関からの紹介患者さんも多いです。
また、工場が多い地域でもあり、労働災害に関係する緊急患者さんにも対応しています。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 51 25.47 15.97 0.00% 74.71
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 23 5.04 8.54 0.00% 57.22
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 35.13 19.58 6.67% 72.93
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 27.29 17.76 0.00% 78.50
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 13.64 10.14 0.00% 75.07
脳神経外科における入院患者の多くは、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)が原因です。
中でも脳梗塞は最も患者数が多く、第1位となっています。
エダラボンという脳保護薬を用いた治療を行った症例が該当し、症例数は昨年度よりも増加しています。
2位と5位となる頭蓋・頭蓋内損傷とは、頭部の外傷です。
頭部の打撲をはじめ、脳振盪、脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下血腫などがあります。
リハビリテーションにも力を入れており、急性期の治療後は回復期リハビリテーション病棟にて、退院に向けたリハビリをしっかりと行うことができます。

婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110050xx97x00x 後腹膜疾患 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 28 2.07 7.96 0.00% 49.00
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 25 9.28 9.27 0.00% 47.44
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-5あり 副傷病なし 20 4.75 4.19 0.00% 67.65
120060xx97xxxx 子宮の良性腫瘍 その他の手術あり 18 3.56 4.72 0.00% 39.33
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 17 5.29 4.27 0.00% 60.24
婦人科では、地域がん診療連携拠点病院として、婦人科悪性腫瘍の化学療法や放射線療法を行い、病変の根治を目指しています。
後腹膜疾患が最も多い症例数となっており、癌などによる難治性腹水に対して治療を行った症例です。
2位は、子宮筋腫などの子宮の良性腫瘍に対し、子宮全摘出術を行った症例です。
子宮の良性腫瘍に対するその他の手術には、子宮頸部切除術や子宮動脈塞栓術があります。
卵巣癌や子宮頸部癌の症例も多く、手術後の化学療法や放射線療法などの治療についても、当院で継続して行うことができます。
当院の緩和ケア病棟においては、患者さんと患者さんを支えておられるご家族が、より良く過ごすことができるよう支援しています。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 519 3.03 4.67 0.19% 75.40 両眼白内障手術
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 421 3.23 2.63 0.00% 73.40 片眼白内障手術
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 88 10.82 8.05 0.00% 61.60
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 86 7.27 5.80 0.00% 70.13
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 53 6.51 5.18 0.00% 69.96
眼科では白内障の水晶体再建術による症例が両眼と片眼をあわせて、940件と最も多くなっています。
近年少し減少傾向であった件数が、昨年度より90件増加に転じています。
網膜剥離の症例数は、近年増加傾向にあり、昨年度4位であった順位が3位に入っています。
網膜剥離は、加齢や糖尿病網膜症などの一部の病気、事故などによる頭部や眼球への物理的ショックが原因で、網膜の裂け目(網膜裂孔)が引き起こされます。
網膜にできた裂け目を塞ぐ処置には光凝固法があり、瞳孔から網膜の穴にレーザーを照射し、焼き付けます。
すでに網膜剥離が認められる場合には、剥がれた網膜を元の位置に固定する手術として、硝子体手術などがあります。
この症例は、事故や労働災害による外傷の患者が多く、平均年齢が少し低くなっています。
3~5位の疾患群には難治性眼疾患が数多く含まれるため、高度な治療が必要となり平均在院日数は長めになっています。
当院では、手術適応となる紹介患者の受入に力を入れており、また、緊急時の救急にも24時間対応し、
愛媛県東予地区の中核病院としても取り組んでいます。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 110 5.44 4.79 0.00% 71.55 前庭機能障害
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 32 8.06 6.23 0.00% 53.00
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 25 8.48 7.73 0.00% 33.48
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 22 7.82 8.81 0.00% 58.27 顔面神経障害
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 17 2.00 2.03 0.00% 55.12 睡眠時無呼吸
前庭機能障害は、昨年度と変わらず上位の症例となっています。
前庭機能障害とは耳の奥にある平衡感覚をつかさどる前庭が障害を受け、めまいが発症する疾患です。
中年以降によく見られるのが、良性発作性頭位めまい症によるめまいです。
寝返り、布団からの起き上がり、頭の向きの変化などの体位変換時にとくに見られます。
慢性副鼻腔炎のほぼすべての症例が手術症例になっています。昨年度より倍近く増加しています。
急性副鼻腔炎を繰り返したり、長引いたことで慢性化したもので、蓄膿症とは、この慢性副鼻腔炎のことをいいます。
昨年度、初めて顔面神経障害の症例が入りましたが、それより増加し順位も4位となっています。
顔面神経麻痺とは、何らかの原因で顔面神経が麻痺し、片側の顔が動かしにくくなる病気です。
脳以外に原因があるとされる、末梢性顔面神経麻痺の診断と治療を行っています。
末梢性顔面神経麻痺と診断された場合は、できるだけ早くステロイドを中心とした投薬治療を行うため、入院して治療を行います。
睡眠時無呼吸症候群の症例が、昨年度と比較して減少しています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 95 2.45 2.45 0.00% 71.16
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 82 9.18 6.85 1.22% 73.04
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 53 10.92 13.61 1.89% 74.68
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 51 4.08 5.29 0.00% 61.71
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 36 5.75 7.59 0.00% 73.92
一番多くなっているのは、前立腺癌を調べるための入院で、組織を採取して調べる症例です。
前立腺癌に対しては、ダビンチを用いたロボット支援手術を行っています。
転移・進行癌に対しては、内分泌、放射線、全身抗癌剤治療なども行っています。
前立腺癌の診断に関しては、2023年4月に、県内で初めて、MRI-超音波融合標的生検システムを導入しました。
従来の前立腺生検と比べ、MRI画像と超音波画像を3D融合した生検装置を使用することで検出率が向上します。
不必要な生検を減らし、より適切な治療法の選択が可能になります。
腎尿管結石に対しては、結石の大きさや状態に応じて、体外衝撃波結石破砕術や細径内視鏡下のレーザーを用いた手術を行っています。
また、婦人科疾患や消化器疾患に伴う尿管狭窄に対して、尿管ステント留置による尿路確保も行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 38 - 13 18 - 67 1 8
大腸癌 10 26 48 30 40 48 1 8
乳癌 16 20 - 16 - 33 1 8
肺癌 - - - - - 11 1 8
肝癌 15 12 10 - - 49 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
◇指標の説明 5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)で入院された患者数を、
初発のUICC病期分類に基づくステージで集計しています。
対象期間中に同一患者さんが複数回入院された場合も、1例としてカウントしています。
UICC病期分類とは、国際対がん連合(Union for International Cancer Control, UICC)によって定められた、
癌の大きさや進展度(T)、リンパ節転移(N)、遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって、0期~Ⅳ期に分類した
もので、0期のものは集計対象外としています。
ステージが大きいほど、進行している癌といえます。
入院中に検査結果が判明せず病期分類ができなかった場合は、不明に分類しています。

◇解説
当院は、質の高いがん治療を提供することができるように、
国が指定する地域がん診療連携拠点病院(県内6施設)のひとつとなっています。
PET-CTを導入し、高度ながん診療ができるよう医療機器の充実を図っております。
治療においては、がん化学療法看護認定看護師や、がん専門薬剤師、リハビリセラピストと協力しながらチーム医療で取り組んでいます。
緩和ケアのため、専門的なスタッフによるチームをつくり、腫瘍性疾患によってお悩みの患者さん、そして患者さんを支えておられるご家族の方に対して、適切な治療や情報を提供し、皆様のお役に立てる活動を目指しています。
昨年度と比較して、胃癌、大腸癌は初発での件数が全体的に少し減少しています。
乳癌は、StageⅣでの発見が16件と増加し、肝癌については、StageⅠでの増加がみられ、初発の件数は増加しています。
がん治療は進歩していますが、まずは予防と早期発見が基本となります。
禁煙、適度な運動、バランスの良い食事、節酒、体重管理などを行い、早期発見のため検診をお願いします。
患者数が10未満の場合には「-」としています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 9.00 63.90
中等症 48 13.85 80.83
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の生活の中で健康状態にある人が感染した肺炎のことです。
成人市中肺炎の重症度は、A-DROPスコアを使用し4段階で分類しています。
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21㎎/dL以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):収縮期血圧90mmHg以下
上記の項目ごとに、該当すれば1点を加算し、5点満点で構成される肺炎の重症度分類です。
0点が軽症、1~2点が中等症、3点が重症、4~5点が超重症となります。
肺炎の重症患者の件数が昨年度より減少して、軽症の件数が増加しています。
新型コロナウイルス感染症に対する感染対策(マスク、手洗い、行動制限)の効果や、インフルエンザの流行がなかったことが要因と思われます。
ワクチン接種の可能な方は早期に接種を受けていただき、感染症の状況に応じ適切な感染対策の継続をお願いします。
患者数が10未満の場合には「-」としています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 104 27.89 76.95 0.00
その他 22 12.36 72.59 0.79
昨年度と比較して、発症日から3日以内に治療を開始した患者さんの平均在院日数は約3日短くなりました。
急性期病院として手術に力を注ぎ、早期に退院できるようにしています。
脳梗塞は、できる限り早期に治療を開始し、脳のダメージを抑えることが大事になります。
当院では、発症から4.5時間以内の急性期脳梗塞に対する治療で、tPAという薬剤を点滴し、脳の血栓を溶かし、
再度血液が流れるようにする治療(tPA静注療法)を行っています。
可能な限り24時間体制で脳卒中の患者さんを受け入れ、可及的速やかに、tPA静注療法を含む診療を開始できる体制を整えています。
また、回復期リハビリテーション病棟があることも強みです。急性期治療を行った後も、回復期リハビリテーション病棟にて、普段の生活が送れるように支援しています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 358 0.04 1.07 0.00% 67.27
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 71 0.86 10.15 0.00% 79.14
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 68 2.75 5.09 0.00% 73.07 心臓カテーテル治療
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 45 1.27 4.31 0.00% 72.69
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 42 0.98 5.17 0.00% 63.07
内視鏡で大腸ポリープ(直径2センチメートル未満)などを切除する手術が最も多くなっており、
消化器内科領域の患者数が多いのが特長です。
また、昨年度と比較して、虚血性心疾患に対して行う経皮的冠動脈ステント留置術が増加しています。
当院ではDSA装置を2台稼働しているため、循環器内科領域における冠動脈疾患の診断・治療も強みで、
救急対応にも力を入れています。さらに、当院では不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も行っており、
心不全や脳梗塞の原因となる心房細動の加療にも力を入れています。術後は、不整脈外来にてきめ細やかな治療を継続して行っています。    

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 108 1.25 6.03 0.93% 65.41
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 41 0.98 2.71 0.00% 65.98
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 34 4.03 15.24 0.00% 76.26
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 32 1.31 3.72 0.00% 72.84
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 23 0.48 3.61 0.00% 46.35
腹腔鏡下胆嚢摘出術が昨年度と同様に最も多くなっています。開腹手術と比較して、手術創が小さいため痛みが少なく、
手術時間が短くなります。それにより、早期退院が可能になる、といった利点があります。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術が2番目に多くなっており、鼠径ヘルニア手術のうち、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を積極的に導入しています。
救急搬送も積極的に受け入れて緊急手術にも対応しており、二次医療機関の役割を担っています。
緊急手術にも低侵襲な腹腔鏡手術を使うことが多く、早期の回復につながっています。
また、当院ではダビンチを用いたロボット支援手術を行っています。外科領域では、直腸癌、結腸癌の症例に対して行っており、他院からの紹介についても積極的に受け入れています。    

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 72 1.81 54.18 1.39% 76.94
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 45 2.18 18.89 0.00% 58.80
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 41 0.73 3.17 2.44% 50.44
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方椎体固定 33 3.82 21.85 0.00% 71.88
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 31 3.35 44.16 0.00% 73.16
大腿骨骨折に対して行う観血的手術が、昨年度と同様に多くなっています。
約70%は救急搬送された患者さんで、積極的に救急車を受け入れ、二次医療機関としての役割を担っています。
昨年度と比較して、平均術前日数が短くなっており、入院後早期に手術を行って、早く退院できるように努めています。
早期に急性期病棟で手術を行った後は、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、充実したリハビリを実践し、
普段の生活が送れるようになるよう支援しています。
また、頚椎、腰椎といった脊椎の手術にも力を入れています。約半数が紹介の患者さんで、近隣の医療機関などから紹介を受け、治療を行い、連携を強めています。    

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 16 0.00 2.81 6.25% 82.38
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 13 0.00 1.00 0.00% 73.54 眼瞼下垂手術
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25~100cm2未満) - - - - -
K0871 断端形成術(骨形成を要する)(指) - - - - -
皮膚癌に対して行う皮膚悪性腫瘍切除術が最も多くなっています。皮膚の良性腫瘍についても手術を行っています。
約80%が紹介の患者さんで、近隣の医療機関と連携を強めています。
眼瞼下垂症手術が2番目に多くなっています。眼瞼下垂症の症例ではクリニカルパスを用いています。
手術を行う症例では患者用パスを使うことが多くなっており、眼瞼下垂症の症例でも使用しています。
他にも、皮弁作成術や植皮術、切断指や熱傷などの外傷に対する手術や床ずれ、糖尿病性壊疽など、
多岐にわたる治療、手術を行っています。
患者用パスとは、患者さんやご家族が治療方法選択や入退院準備をスムーズに進められるように、
わかりやすく記したインフォームド・コンセントのツールで、全診療科で積極的に使用しています。
入院中のスケジュールが記されており、安心して治療を受けられる、入院日数が短縮される、などの利点があります。    

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 0.24 13.12 0.00% 76.35
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの - - - - -
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 - - - - -
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多くなっています。慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術とは、頭皮を切開して頭蓋骨に小さな穴をあけ、血腫を取り除き、洗浄とドレナージ(排液)を行う手術です。
時間外の緊急手術も行っており、可能な限り24時間体制で診療を行えるように体制を整えています。
また、脳腫瘍の症例に対して行う頭蓋内腫瘍摘出術も2番目に多く行っています。
約70%は紹介の患者さんで、近隣の医療機関と連携を強めています。    

婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 28 1.29 8.64 0.00% 49.93
K867 子宮頸部(腟部)切除術 18 1.00 1.50 0.00% 36.33
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 14 0.43 1.71 0.00% 49.00
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの - - - - -
昨年度と同様に子宮全摘術が最も多くなっています。子宮筋腫などの症例に対して行っています。
子宮頸部(膣部)切除術が2番目に多くなっており、昨年度と比較して増加しています。
上位2つの手術は紹介患者さんが約60%と多く、近隣の医療機関と連携を強めています。   

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 914 0.02 2.01 0.11% 74.56 片眼白内障手術
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 251 0.15 7.56 0.40% 68.04 硝子体手術
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 78 0.27 5.00 0.00% 71.63 硝子体手術
K2682イ 緑内障手術 流出路再建術 眼内法 27 0.15 2.59 0.00% 74.15
K281 増殖性硝子体網膜症手術 24 0.00 7.88 0.00% 53.50
白内障に対する水晶体再建術が最も多く、昨年度と比較して81件増加しています。
最新の超音波白内障手術装置を使用しています。入院当日に手術を行い、多くの患者さんの治療が行えるように努めています。
また、硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)についても昨年度と比較して28件増加しています。
網膜剥離や黄斑円孔、網膜前膜や糖尿病性網膜症、硝子体出血などに対して行う手術です。
手術適応となる患者さんを近隣の医療機関から積極的に受け入れています。
また、緑内障手術流出路再建術眼内法についても、昨年度と比較して10件増加しており、緑内障の治療にも力を入れています。    

耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 21 1.00 7.14 0.00% 35.38
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 18 1.22 5.94 0.00% 58.28
K331 鼻腔粘膜焼灼術 12 0.08 3.50 0.00% 69.50
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 12 1.08 6.33 0.00% 41.58
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術 - - - - -
慢性扁桃炎などに対して行う口蓋扁桃手術摘出が最も多くなっており、昨年度と比較して11件増加しています。
小児から高齢者まで、幅広い年齢層の患者さんに手術を行っています。
慢性副鼻腔炎などに対して行う内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)が2番目に多くなっています。
他にも、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対して行う経鼻腔的翼突管神経切除術も昨年度と比較して増加しています。    

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 92 1.41 7.88 1.09% 73.76
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 54 0.89 5.00 0.00% 73.72
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 50 0.64 2.58 0.00% 61.40
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 37 0.86 5.27 0.00% 73.55 内シャント増設術
K8411 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの 36 1.78 8.28 0.00% 71.67
膀胱癌に対する内視鏡手術である、膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの(TUR-Bt)が、
昨年度と同様に最も多くなっています。尿道から手術用内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除する手術です。
経尿道的尿路結石除去術も多く実施しており、昨年度と比較して11件増加しています。内視鏡を挿入し、
結石を確認しながらレーザーで砕石・除去する方法です。
また、前立腺癌に対する、ダビンチを用いたロボット支援手術にも力を入れており、積極的に行っています。
数カ所の小さな切開部から手術を行うため患者さんの負担が少なく、精密な動きを再現できるなどの特長があります。
ダビンチを用いたロボット支援手術については前立腺癌の他に、腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄症の症例についても行っています。    

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 11 0.16%
異なる 14 0.20%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.27%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症など重篤な合併症や、手術・術後の合併症の発生率を示します。
入院契機と「同一」とは、その病気を治療目的として入院した症例を示します。
入院契機と「異なる」とは、本来は別の傷病に対する入院であったにも関わらず、
この合併症に対する治療が最も行われた症例を示します。
敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身にさまざまな影響がおよび、
心臓、肺など体の重要な臓器の機能に障害(臓器不全)をきたす病気のことです。
昨年度と比較して、敗血症で入院し、同一疾患の治療を行った症例と、
手術・処置等の合併症で入院し、同一疾患の治療を行った症例は、ともに減少しています。
手術・処置等の合併症で入院した症例には、術後創部感染やCAPD腹膜炎などがあります。
CAPD腹膜炎とは、腹膜透析をしている患者さんで、腹腔の中に細菌が入って炎症を起こす合併症です。
起こり得る合併症の可能性については、事前に患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくようにしています。

更新履歴
2023/09/29
公開



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